
いよいよ暑い夏がやってくる予感ですね。
こんにちは。 JGAS Aero Partsです。
さて、今回のブログは内容が専門的になりそうな予感。
航空業界では無い方には、つまらない内容になるかもしれません。
全回の部品ブログ(6月16日)で、購入先・修理委託先の調査のお話をしました。
その中で「DERリペア」なる言葉を出しました。
今回は、そのDERリペア品の見分け方をJGASなりに解説しようと思います。
DERリペアとは、簡単に言うと、設計者の指定した方法ではなく修理会社が独自の方法で修理やオーバーホールを実施したものを指します。
日本では、信頼性管理方式を採用しているエアライン等を除きDERリペア品の使用が認められていないのです。
ですから、部品等は原則として設計者の指定した方法で修理や整備を実施されたものを使用する必要があるのです。。
ここで言う「設計者」とは製造メーカーを指す場合が多いです。
JGAS Aero Partsが取り扱う部品は多岐にわたります。
新品を仕入れることもあれば、O/H品(オーバーホール品)、修理品を仕入れる事もあります。
O/H品や修理品の部品が入荷した場合は、設計者の指定した方法で修理等が行われたか否かを確認する事が非常に重要です。
もしも、弊社がDERリペア品を見逃してしまって、お客さまが誤って航空機に装備してしまった場合は、航空局からお叱りを受ける結果を招いてしまいます。
JGAS Aero PartsはDERリペアを実施しているものを受け入れしていませんが、何らかの手違いで入荷する可能性はゼロではありません。
入荷時の領収検査が、最後の砦となります。
では、どのようにして見分けるのか?
某Fuel PumpのFAA8130-3と言われるタグです。
パーカーハネフィン社製のポンプをパーカーハネフィン社がオーバーホールを実施しています。
8130-3の「Remarks欄」に、どのマニュアルを使用して作業を実施したか書かれています。
その書かれているマニュアル番号が、設計者のマニュアルであれば正規オーバーホール品です。
設計者のマニュアルで無い場合がDERリペアとなります。
このポンプの場合は、設計者がオーバーホールを実施していますがJGAS Aero Partsはパーカーハネフィン社に対して、「マニュアルのカバーページをPDFで送ってよ!」とメールで送ります。
カバーページとは表紙ですね。 マニュアルの中身は、ほとんどのメーカーが見せてくれませんが、表紙は大体送ってくれます。
このマニュアルの表紙を見ると、設計者のマニュアルか否かスグに判断できます。
Remarks欄にCMM〇〇-〇〇とあれば、表紙を取り寄せる必要もなく設計者の指定した方法と判断が出来ます。
添付されいる「Work Report」に「Overhauled and Tested per Manufacture Spec」と記載されている場合も設計者の指定した方法で作業が行われたと判断出来ます。
では、これはどうでしょう。 Honeywell社製のGYRO HORIZONです。
Manual ID:670-0018-001となっています。
これでは、設計者の指定した方法だと判断出来ません。
この部品は予備品証明対象ですが、このままでは予備品証明検査に合格出来ません。
判断する為には、マニュアルのカバーページが必要になります。
JGAS Aero Partsは、Honeywell社のポータルサイトでマニュアルを確認出来ます。
確認したところ、当該マニュアルがHoneywell社のものである事が確認出来たため、そのページのコピーを添付して予備品証明検査に行きました。
このように、8130-3というFAAのタグが付いているだけでは万全ではないのですね。
JGAS Aero Partsは、日々このような判断を行って高品質な部品の供給に努めています。
ちょっと内容が専門的になり過ぎてしまいましたね・・・
では、また次回!!