
こんにちは、JGAS Aero Partsです。まだまだ寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
この時期になると苦手なあいつが現れます。
そのあいつとは・・・「パチッ」と音が鳴り痛くなる静電気です。
ドアノブを触った時などに、皆さんも静電気で痛い思いをした経験があるのではないでしょうか。私はこの静電気が大嫌いです。痛いので。
じつは航空機の部品の中にも、静電気に弱い部品があります。
それは「ESDS部品」と呼ばれ、私が気を使う部品の一つです。オートパイロットコンピューターなどの電子部品がそれにあたります。
ちなみにESDSとはElectro Static Discharge Sensitiveの略で、簡単に言うと“内部の電子部品が静電気で簡単にダメージを受けやすい部品だから、取扱いには気を付けてね“という意味です。
ESDS部品には、こんなラベルが貼ってあります。
ドアノブを触ったときの静電気は、衝撃の割には人体に蓄積される静電気のエネルギーはそれほど大きくありません。しかし、電子回路や半導体部品は静電気で簡単に破壊されてしまいます。
そのためESDS部品を検査するときは特別な配慮が必要なのです。
では、ESDS部品を領収検査等で触る必要があるときは、どうするのか?
JGAS Aero Partsには、ESDS作業専用の机があります。専用のマットにはアースが付いていて、静電気が溜まらないようになっています。
また、人間の体に溜まっている静電気を逃がすために特別なバンドをする必要もあります。
これで準備完了です!
ちなみに保管の際にも、いつも使用している袋に入れるわけにはいきません。特殊な加工が施された袋を使用し、その中で保管をします。コネクターキャップも専用のものが用意されています。
また、袋を閉じるために使うテープも、いつも使っているセロハンテープは使用できず、ESDS部品に対応しているテープを使います。
社内にはこんな設備があるので安心ですが、予備品証明検査等でESDS部品を航空局などの社外に持っていく必要があるときはどうするのか?
なんと、出張用ESDSキットがあるんです!
この簡易マットとグローブで静電気から保護するのです。
ESDS部品は、その特性から至れり尽くせりな対応を受けるんですね。こういった特別な配慮をすることによって、ESDS部品の品質が保たれるのです。
あ、ドアノブ触ったときの静電気が大嫌いな皆さん。バチッとならない良い方法があるのを知ってますか?
「今日は静電気たっぷりだなー」と思ったときは、その扉が木製であれば、ドアを開けようとする前に手のひらでドアに5秒間くらい触れてみてください。
あら不思議。バチッとならないんですね。
金属は電気を通しやすいので、体内から一気に静電気が放出され、バチッとなるのですが、木などの電気を通しにくいものに触れると、体内の静電気がゆっくり出ていくのです。
分かっていても、最初からドアノブに触れてバチッとやられるブログ担当でした。