
型式証明の取得が間近に迫った、シーラス社が開発中の小型単発ジェット機「Vision SF50」の最新状況をお伝えします!
Vision SF50は、今年の上半期にFAA(米連邦航空局)の型式証明を取得するため、「C0」「C1」「C2」という3機の試験機が、それぞれ重要な試験を順調にクリアしています。
まず、防氷システムについて。「C0」が様々なアイシング条件を模擬的に作り出すFAAの認定試験を完了し、「C1」が実際に天然の氷を使用したアイシングの試験を完了しました。これによってVision SF50の防氷システムが有効に作動することが確認され、着氷気象状態を飛行しても安全であると認められました。
高高度を飛ぶVision SF50にとって重要な与圧システムについては、「C2」が無事試験を完了しました。
空力負荷については、2015年にすべての構造試験が完了して、認証を受けています。
今後の予定としては、アビオニクスやオートパイロットなど、電気システムの認証試験を近日中に実施します。
そして、Vision SF50の開発に当たって最大のイベントといっても過言ではない、緊急用パラシュートシステム「CAPS」の試験が、いよいよ間近に迫ってきました!
CAPSはシーラスのSRシリーズで既に実用化されており、単発機の安全の概念を覆す、優れた実績を上げています。Vision SF50も単発機ですから、安全第一のシーラス社としては、当然CAPSを搭載して、双発機に勝るとも劣らない安全性の実現を目指しています。
しかし、SRシリーズの機体よりもはるかに重量があり、なおかつ頭上にジェットエンジンを背負う形のVision SF50をパラシュートで安全に落着させることは困難を極めました。それでも信念を曲げなかった開発チームの努力が実り、ついにVision SF50のためのパラシュートシステムが完成しました。
アイシング試験を完了させた「C1」が、CAPSを搭載して実際にパラシュートを開傘する試験機に選ばれ、現在準備を進めています。
CAPSの試験が完了次第、Vision SF50はFAAの型式証明を取得する予定です。
Vision SF50の開発もいよいよ大詰めです。最新情報が入り次第、こちらのブログでご報告させていただきますので、ご期待ください!