
シーラスSRシリーズ(SR20/SR22/SR22T)は、2017年モデルからウィングチップのデザインを一新しました!
高機能なライティングシステムを組み込んだ「スペクトラ・ウイングチップ」の誕生です!
この新しいウィングチップは、緊急車両の警告灯や作業灯のメーカーとして世界的に有名な米国ウィレン社と共同開発したもので、他機からの視認性を高めることを第一に設計されました。
空力的な影響が極めて少ない一体型のレンズを採用し、そこに様々な照明が組み込まれています。
各照明を順番に見ていくと、まず前縁にあるのは着陸灯です。カウル下部の1箇所に加えて、左右の翼にも1箇所ずつライトを組み込むことで、より広範囲を明るく照らします。
その横にあるのは航法灯です。
それに続く長いチューブのようなものが「Haloライト」で、両端にはストロボ(衝突防止灯)が組み込まれています。
Haloライトは、夕方や夜間に機体の周囲を照らし、外部点検などの補助をする照明です。夜間の駐機場で、懐中電灯を片手に作業する不便さを思うと、非常に便利な機能ですね!グレアシールドにある環境光センサーによって明るさがコントロールされており、夜間など周囲が真っ暗なときは明るさが控えめになる機能も付いています。
「スペクトラ・ウイングチップ」最大の特徴は、各照明が状況に合わせて発光することです。
Haloライトは、バッテリースイッチをOFFにしていても、キャビンドアの開閉や、リモートキー(オプション)の操作に合わせて作動します。最近の自動車にはこういった機能が付いているものもありますが、小型機の世界では画期的な機能です。シーラス社は、機体性能やアビオニクスの進化はもちろんのこと、このようなハード面の細部にも気を配り、より便利で快適なフライトを追求しています。
また、航空機が離陸して300ft AGL以上の高度に達すると、Haloライトは自動的に消灯します。同時に、両翼の着陸灯が交互に点滅を始めます。不動灯よりも点滅している光のほうが視認しやすいためで、合計4箇所のストロボと併せて点滅することで、他機からの視認性を飛躍的に高めます。世界的な警告灯メーカー・ウィレン社のノウハウがここに生きています。着陸に際し、300ft AGL未満まで高度を下げると、両翼の着陸灯は通常の点灯に戻り、滑走路を明るく照らします。
ウィングチップに新たな技術を採用したことで、2017年のシーラスSRシリーズは、より安全に、便利に進化しました。
次回の航空機ブログでは、大幅な進化を遂げたアビオニクス「CIRRUS PERSPECTIVE +」をご紹介いたします。ご期待ください!