
レッドブル・エアレース最終戦が、現地時間の10月14日・15日、米国インディアナ州の「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」で開催されました!
レッドブル・エアレースとは、国際航空連盟(FAI)公認の飛行機レース世界選手権です。レース仕様のプロペラ機に乗ったパイロット達が、超低空でスピードを競う大迫力の航空レースで、「世界最速のモータースポーツ」「空のF1」とも呼ばれます。
2017シーズンは世界各地8ヶ所でレースが行われます。各レースごとに順位に応じたポイントが与えられ、シーズンを通じて最多ポイントを獲得したパイロットが総合優勝者「Red Bull Air Race World Champion」となります。
日本人パイロットの室屋義秀選手は、キャリアで最も好調なシーズンを過ごしてきました。千葉で開催された第3戦とブダペストで開催された第4戦、そして先日ドイツで開催された第7戦で優勝。シーズン序盤からワールドチャンピオンの座を争ってきた首位のマルティン・ソンカ選手まで、あと4ポイントと迫る総合ランキング2位で最終戦を迎えました。
そして、当ブログで度々ご紹介していますが、弊社が代理店を務めるアメリカの航空機メーカー「シーラス・エアクラフト社」がスポンサーになっているマイケル・グーリアン選手。積極的に攻める姿勢が身上のグーリアン選手は、ペナルティを与えられることが多く、思うような結果を残せないシーズンになっています。表彰台に上がったのは、カザンで開催された第5戦だけ。最終戦では来季に繋がるフライトを見せたいところです。
最終戦の舞台となる「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」は、米国インディアナ州インディアナポリス市郊外にある、1909年に開設された歴史あるサーキットです。世界的に有名なアメリカンモータースポーツイベント「インディ500マイル」が行われることで知られています。
強風が吹く中、予選を1位で通過したのは、1:04.149を記録したオーストラリア出身のマット・ホール選手でした。チェコ出身のペトル・コプシュタイン選手がわずか0.241秒遅れの1:04.390で2位通過。3位のフアン・ベラルデ選手とは1秒以上タイムが離れており、上位二人の独走でした。
エンジンの調整が悪くスピードが出なかったという室屋選手は、コース取りにも苦労し2秒のペナルティを与えられて11位通過。グーリアン選手はこの日の天候に戸惑いながらも8位で予選を通過しました。
Round of 14(本戦 第1レース)で、室屋選手は、いきなり総合ランキング1位のマルティン・ソンカ選手と対戦!シーズン序盤からワールドチャンピオンの座を争ってきたライバル同士の対決が実現しました!
室屋選手はゲート通過時の姿勢で2秒のペナルティを受けてしまいましたが、ソンカ選手はパイロンヒットで3秒のペナルティ。予選とは違う風向きの強風に多くの選手が翻弄される中、早くも頂上決戦に決着がつきました。
一方、グーリアン選手は、フランスのニコラス・イワノフ選手と対戦!相手が7秒ものペナルティを受けたため、まったく危なげなく次のレースへ駒を進めました。
続くRound of 8(本戦 第2レース)。
フランス出身のミカエル・ブラジョー選手と対戦した室屋選手は、互いにノーペナルティながら2.5秒以上の大差をつけてFinal 4進出を決めました!
一方のグーリアン選手は、スペイン出身のフアン・ベラルデ選手と対戦。パイロンヒットで痛恨のペナルティを受け、ここであえなく敗退となりました。
そして、室屋選手とソンカ選手の頂上対決は終わったかに思われましたが・・・。Round of 8には、Round of 14の勝者7人と、敗者の中で最もタイムが速かった1人が進出しますが、ソンカ選手がその最後の一人としてRound of 8に勝ち上がってきました!ここでマット・ホール選手を下してFinal 4進出を決めたため、室屋選手とソンカ選手の対戦が決勝で再び実現しました。
そしてついに、レッドブル・エアレース2017シーズン最終戦の勝者を決定するFinal 4の幕が切って落とされました。
Final 4で、最初にフライトしたのは室屋選手。ここで何といきなりトラックレコードを1秒以上更新するパーフェクトなフライトを披露!1:03.026という驚異的なタイムを叩き出しました!
後続のマティアス・ドルダラー選手、フアン・ベラルデ選手、マルティン・ソンカ選手も追いつくことができず、2位に2.52秒もの大差をつけて室屋選手が優勝!これによって室屋選手は、アジア人初のレッドブル・エアレース、ワールドチャンピオンになりました!
振り返ってみれば2016年、千葉で開催された第3戦で、室屋選手は日本人パイロットとして初優勝を果たしました。そして今季は、千葉の第3戦を含む4回の優勝!今季ワールドチャンピオンの座を手にした室屋選手の数々のフライトは、我々日本のファンだけでなく、世界中のエアレースファンを魅了したことでしょう。本当におめでとうございます!
そして、当ブログでレポートを続けてきたマイケル・グーリアン選手の最終順位は9位でした。グーリアン選手はきわどいコースを攻めるあまり、ペナルティを与えられることが多く、思うような結果を残せない試合も多くありました。2018シーズンに向けてポジティブなスタートを切る予定だとコメントし、来季こそ飛躍を遂げるシーズンになることを誓いました。
こうして、レッドブル・エアレース2017シーズンは幕を閉じました。選手の方々の健闘を称えると共に、来季も熱い戦いが繰り広げられることを期待しましょう!
最後まで当ブログの試合レポートをお読みいただきありがとうございました!
レッドブル・エアレース公式サイト(日本語)
http://www.redbullairrace.com/ja_JP
マイケル・グーリアン選手 チーム公式サイト(英語)
http://mikegoulian.com