
こんにちは!鹿児島の整備担当です。
以前、JGAS Aero Partsのブログで、部品番号(パーツナンバー)についての記事がありましたが、今回は正しい部品番号の部品を使用することの大切さを、整備士としての観点から少し書きたいと思います。
部品の1つ1つに「部品番号」があることは前のブログお伝えしました。
なんの変哲もないボルトやワッシャー、リベットの一本にもパーツナンバーは付けられています。
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航空機の整備マニュアルと言われるものの中には、Illustrated Parts Catalog(通称、IPC)と言われるマニュアルがあります。
これは、まさに「絵の付いた部品のマニュアル」と呼べるもので、「ここには、この部品を使いなさい!」と命令するマニュアルです。
ちょっと中を覗いてみましょう。
これは、ATA32章Landing Gearの1ページです。
見ての通り、イラストが書かれていて、すべての部品に番号が振られています。
ちょっと、赤丸の部分を拡大してみます。
ボルト1本、ワッシャー1枚にまで番号が振られています。
では、24番のボルトの部品番号を確認してみましょう。
24番は「NAS6207-54D」という部品番号が指定されています。
この場所には、NAS6207-54Dという部品番号のBOLT以外は使用不可なのです。(航空機製造メーカーの認める互換部品を除く)
ちなみに、この内容のブログを書くと弊社の統括本部長から「NAS6207ってどんなボルト?」「材質は?」「54DのDって何?」「呼び径は??」という質問が飛んできそうです・・・。
統括は、JGAS Aero Partsの部品領収検査で、部品番号では材質が合金鋼なのに現物がチタンである事に気が付くような知識の持ち主なのです・・・。
ボルトなどは、部品番号からどんなボルトなのか分かるんですね。
その辺の話は、来年2等航空整備士を受験するM島整備士が近いうちにブログで書いてくれる事でしょう。
このように、航空機に使用される部品は、指定があります。
「全部一番強度の強いヤツを使っていれば誤部品であっても安全じゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、強度の強い方が安全・・・一理ありますが、ボルトの使われる場所によっては、何らか強い衝撃が加わったときに、「ボルトが折れることで衝撃を吸収して、それ以上の損傷を防ぐ構造」になっている場所があります。
ですから、強い方が安全という訳でもないのです。
故意的に誤部品を使用する事は論外ですが、”THE ミスをする生き物”が人間です。
思い込みや確認不足、人間お得意の”だろう作業”によって、誤部品を使用してしまうミスは航空機整備の世界では永遠の課題かもしれません。
そこで、JGASの整備部門では、部品を取り付ける際に「部品の5点確認」を徹底して行っています。
① IPCなどの最新の技術基準に載っている部品番号
② Certificate(品質保証書)に記載してある部品番号
③ 新品の現物に記載されている部品番号
④ 取り卸した現物の部品番号
⑤ 部品の保管期限は超過していないか?
人間はミスを犯す事を前提に、「必ず起こるミスをどう防ぐのか?」を徹底して考え行動しています。
このように、日々、安心安全な整備を心がけて実施しておりますので、整備のご依頼はぜひJGASに!皆様のお越しをお待ちしております。