
みなさま、こんにちは。鹿児島の整備担当です。
2月に入りまだまだ寒い日が続きますね。
先日、日本列島を猛烈な寒波が襲ったということもあり鹿児島空港のほうでも降雪しました。
積雪が15cm程になり、鹿児島とは思えないような冬景色になりました。水道の水も凍ったり、車という移動手段さえ制限され日常生活に大きく影響したのは言うまでもありません。
寒いというキーワードが出ると、私たち整備士が考えるのは凍結という問題です。
空気中には水分が含まれており、それらの温度が氷点付近かそれ以下だと氷ができます。
飛行機の主翼や尾翼の前縁に着氷が発生すると、翼型がくずれて揚力が失われてしまいます。そして、重量増加という弊害ももたらします。
これらを防止するために機体によっては防除氷系統というものが装備されています。
では、どうやって着氷状態を防止もしくは改善するのか?
方法としては、以下が一般的です。
(1) 高温の圧縮空気を用いた加熱
(2) 電熱による加熱
(3) 着氷した氷の破砕(例、膨張ブーツ)
(4) アルコールの噴射
シーラス機にはアルコールを噴射して除氷するシステムが装備されています。
このようにプロペラの前縁に溝のあるシューが張り付けられており、プロペラが回転することによりスリンガリング内に送られてきた防氷液が遠心力によってノズルから拡散されます。そして、溝に沿って防氷液が流れていき防氷します。
機体によっては、プロペラの防除氷系統には電熱線が用いられている場合もあり、多種多様です。
ウインドシールド等にもヒーターエレメントにより表面を加熱したり、航空機には氷対策は欠かすことのできない重要なものです。
ここまで簡単ではありますが、飛行機の方の防除氷系統について説明させていただきました。
冷え込みやすい季節となっておりますので、みなさまもお出かけの際は寒さ対策を万全にしてくださいね。