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プロペラ手回し

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プロペラ手回し

みなさん、はじめまして。
新たに鹿児島航空機整備センターの整備課に配属されました。
みなさんに認めて頂けるよう精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。

さて今回はプロペラ手回しについて書きたいと思います。

みなさんプロペラ手回しと聞いてもあまりピンとこないかと思いますが、整備士の我々は地上試運転を行う前には必ず行う作業です。

手順としましては、当該機のS/W及びレバーを全てOFF位置の確認をし、プロペラ回転の正回転方向にエンジンのシリンダーの数、手回しを行います。

この作業はなぜ実施するかと言いますと

・エンジンの各シリンダーのコンプレッション(圧縮比)の確認
・シリンダーとピストンとの動きが正常であるか
・インパルス・カップリングの作動の確認
・ハイドロリック・ハンマの有無の確認

といったことを目的にプロペラ手回しは行われています。

この作業を実施する際に特に注意していただきたい点としましては、常にエンジンがかかってしまうかもしれないといったことを考え、プロペラから逃げられる態勢を取ることです。

現に私は以前プロペラ手回しを行った際にエンジンがかかってしまったことがあります。けがをしなかったことは本当に運が良かったです。

その際は、イグニッション・キーをOFF位置にしても火花が飛ぶといった不具合、説明いたしますとマグネトを制御している1次線(P-リード)が断線している場合が多いです。

こういった危険もありますのでみなさんプロペラ手回しの際は気を付けましょう。

小型機で飛ばれている方はご存知かと思いますが、エンジン点検の際に「マグネトOFF」を確認します。これは、1次線が断線していないことを確認しています。もし、断線しているとOFFにしてもエンジンは回り続けます。

マグネトを制御している1次線(P-リード)
SR22Tの写真です(分かりづらくて申し訳ありません)

簡単ではありますがプロペラ手回しについて説明させていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今後ともよろしく願いいたします。

注)航空機用ピストンエンジンの大手2社(コンチネンタルモータース、ライカミング)のうち、ライカミング社はプロペラ手回しを推奨しておりません。

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