
みなさま、こんにちは。鹿児島の整備担当です。
5月も後半に差し掛かり行事等も落ち着いてきた頃ではないでしょうか。もうすぐ梅雨の時期ということで、雨天が多くなってきました。
雨が降った日には、じめじめとして何とも言えない気分になりますね。そして湿気がたまりやすいところはカビが生えたり、虫が増えてきたりと何かと苦労するような季節です。
その湿気がときには飛行機にも影響をもたらします。
それは腐食というもので、金属が表面に接する水、酸、アルカリなどの媒質により化学的に侵されることです。
一般的に「サビる」という腐食には実は様々な種類があり、いくつか例を挙げてみると、表面腐食・フィリフォーム腐食・点食というものがあります。
表面腐食(Surface Corrosion)とは、金属の表面を磨いたときにそのまま放置しておくと空気中の湿気により曇り始めて、さらに進行するとざらざらして酸化する現象のことをいいます。
皆さんがよく目にするネジが茶色に変色してしまう現象のことは全面腐食(Uniform Corrosion)といいます。下のような感じですね。
一方でフィリフォーム腐食(Filiform Corrosion)とは、ペイント塗装してあるアルミニウム合金表面に、菌糸状に発生する腐食のことで、有機皮膜の下の金属表面に起こります。赤丸で囲まれているものがそうです。
目視だとわかりにくいのですが、これも腐食であるので腐食除去をしなければなりません。
方法としては、サンドペーパーやスクレーパーを使用したり、腐食除去剤にて取り除きます。機体外板はとても薄く場所によっては、0.032in(0.8mm)しかないので慎重に行わなわなければなりません。
腐食は少しでも残っているとまた広がってしまうので油断できませんね。
ここまで紹介してきたのはほんの一例であり、身の回りで使用している工具なども錆び付いたりします。最近は便利な世の中になってきて、ホームセンターなどで容易に錆取り変換剤などを入手したりすることができますので、手間をかけずに錆対策ができます。今はどんどん便利なものが増えているので助かりますね。
ただし航空機の腐食除去には、整備マニュアルで指定されたものしか使用ができません。
梅雨時期を乗り越えたら、夏です!身の回りの錆対策をしながら、夏の計画でも立てましょうかね。