
皆さんこんにちは鹿児島の整備担当です。今回私は初めてブログを書かせていただきます。よろしくお願いします。
さて突然ですが、皆さんは自動車メーカーや自動車ディーラーからリコールのお知らせのハガキを受け取ったことはありますか??僕は今まで自動車のリコールに該当したことは無いんです。
ではリコールとはどういうものかと・・・・
自動車のリコール制度とは、当該型式の車両の設計・製造過程に問題がある為、自動車メーカーの自らの判断で国土交通大臣に事前届け出を行ったうえで、改修・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度のことです。
実は航空の世界でも同じように事故・トラブルを未然に防ぐ制度があります。
航空の世界では「Service Bulletins」といい、略称として頭文字を取り「SB」と呼んでいます。
下記に「SB」の画像を例示します。
「SB」は自動車のリコールと同じように、設計・製造過程に問題があることにより発生する不具合・事故を防止する目的で発行されます。
「SB」に記載されている内容は、どの航空機メーカー、発動機、装備品などのメーカーも、ほとんど同じような構成になっています。
簡単に説明しますと・・・・・・
○SB Number
SBを管理するための番号となっています
○SBの発行日
○SUBJECT
SBの表題/タイトル
○COMPLIANCE
SBの指示レベル
SBには指示レベルがいくつかに分かれていまして、下記のような段階に分かれています。
:指令事項(ALERT、MANDATORY)
:必須事項(ESSENTIAL)
:要望事項(RECOMMENDATION)
:任意事項(OPTIONAL)
*指令事項(ALERT、MANDATORY)の赤字の部分は次のブログにて紹介しようと思います。
○EFFECTIVITY
該当機種・発動機・装備品の詳細な適用
製造番号や該当装備など
○APPROVAL
当該SBが、機体・発動機・装備品メーカーの管轄の航空局(米国:FAA、欧州:EASA等)の承認を受けた文書であることを記載しています
○PURPOSE
SBの目的
○INSTRUCTION
実施手順
次に「SB」が発行されるまでの流れを説明いたします。
航空機使用者(オーナーや運航会社)
↓
不具合・事故発生
↓
不具合情報を製造会社(機体、発動機、装備品等)に連絡
↓
製造会社は不具合・事故情報を、設計・製造段階の不具合によって発生した事象か検討し、検討の結果、設計・製造段階の不具合によって発生した事象ならSBの発行手順を行う。
(製造会社は上記の検討の他に、製造番号・ロット番号などについて調査を行い、該当する部分を限定する)
↓
製造会社は管轄の航空局(FAA、EASA)の承認(APPROVAL)を受けSBの発行を行う。
(その際内容が重大であれば、航空局はSBを基にAirworthiness Directives (ADs)等の文書の発行を行う)
現在では事故・不具合情報以外に、製造会社は品質監査等を積極的に行い、不具合・事故につながる情報の収集をしています。
以上、Service Bulletins(SB)について簡単に説明してみました。
では、SBが発行されると社内ではどのような流れになるのかを説明したいと思います。
SBが発行されると、JGASの場合は技術品質管理課という部署で受領し、SBを実施するか否かを含む評価が行われます。
実施が決まると、作業手順書が作成され現場に作業指示が出ます。
このように、航空機の安全性は日々確保されているのです。
引き続き、JGASは安全で効率的な整備を提供していきます!