
こんにちは、鹿児島の整備担当です。
今回は、航空機の燃料についてお話ししてみたいと思います。航空機の燃料って、、、車と同じなのでしょうか?
では、まず皆様ご存じの車の燃料についてレビューしてみましょう。
車の燃料は大きくガソリンと軽油に分かれます。
これはエンジンの種類で変わります。ディーゼルエンジンの車は軽油ですね。
この辺は、皆さんよくご存じかと思うのでこれ以上は割愛させて頂きます。
では、本題の航空機はどうなんでしょうか?
実は、航空機も車と同様にエンジンの種類で燃料が変わります。
航空機には大きくタービンエンジン・ピストンエンジン・ディーゼルエンジンに分かれます。
ピストンエンジンはガソリンを使用し、民間機のタービンエンジンとディーゼルエンジンはケロシンという灯油に似た燃料が使用されます。
そこで、航空機に使用される燃料について、簡単な特徴を紹介したいと思います。
航空機用ガソリン
車のガソリンとは、ひと味違います。
通称Avgas(Aviation Gasoline)と言われるガソリンが使用されています。
一般的にガソリンは揮発性が高く、空気中にその蒸気が1.5~6.0%含まれると、0℃以下でも引火し急激に燃焼する。また、ガソリンの蒸気は空気より重いので、風通しが悪いと、低い場所にたまり、危険な状態を生じることで有名です。
日本を含む世界的に使用されているAvgasは100LLで、オクタン価が100で鉛が少しだけ含まれる有鉛ガソリンです。
車のガソリンと同様に、Avgasも着色されており100LLは青色です。
ちなみに、車のレギュラーガソリンはオレンジ色に着色されています。
セルフ給油でもガソリンは真っ暗な燃料タンクに入っていきますから、外からオレンジ色とは分からないかもしれません。
ケロシン
ケロシンとは、JIS規格における「航空タービン燃料油」の1種で他にワイドカット系が存在します。 ケロシン系ジェット燃料を一般的にケロシンと呼んでいます。
ケロシン系ジェット燃料はJET A・JET A-1・軍用規格のJP-8が存在し、引火点がガソリンより高いため、ガソリンに比較し、火災の危険性は低いが、引火点またはそれ以上の温度では、ガソリンと同様の注意が必要です。
色はガソリンと違い無色透明です。
ケロシンは、量り方がガソリンと違うことも大きな特徴かもしれません。
ガソリンはリットル・ガロンといった体積で量を表しますが、ジェット燃料はポンド・キログラムといった重量で表されることが多いです。(一部の小型機を除く)
これは、温度によって燃料の体積が変化するためで、例えば-30度のアラスカから20リットルのケロシンを常夏のモルディブに持っていくと10%ほど体積が変わってしまいます。
大型旅客機の燃料補給をする時は、必要燃料量が重さで指定されるため、その時の密度で補給量(リットル・ガロン等の体積)を計算し燃料を補給する必要が出てきます。
大型機の燃料補給には電卓が欠かせません。
今回は、大きく2種類の航空機用燃料を紹介させて頂きました。
次回、燃料の話をするときは、バイオ燃料の話題でもやってみましょうか。
それでは、引き続き、安全で確実な整備を提供して参ります!