
みなさま、こんにちは。
東京事業所で整備技術を担当しています。
空港で飛行機を見ていると、ふと気が付くことがあります。
意外と白をベースにした航空会社が多いことに。
何故だと思いますか?
今回、白を基調としたカラーを採用している会社が多い理由について一緒に考えてみましょう。
実は、この話題はかなり奥が深いのです。答えが1つでは無いという事も奥が深い大きな理由です。各社で考え方も違うと思いますし。
機体のカラーリングは、その航空会社のイメージを決める大きな要素と言っても過言ではありません。
ここ日本でも、1機1機違うカラーを施したフジドリームエアラインズであったり、黒と白の調和が素晴らしいスターフライヤーであったり、ピンクが可愛いピーチであったりとベースカラーが白ではない航空会社も勿論あります。
白を基調にしているのは、日本航空グループやANAグループ(トリトンブルーと半々?)、世界を見てもユナイテッド航空やエミレーツ航空などなど。
では、世界的に見ても白をベースカラーに採用する理由は何なのでしょうか?
まず第一に塗装コストが安いという理由が考えられます。塗料は色によって値段が違います。
塗装の目的は、先ほどお話した“航空会社のイメージ“いわゆる美観以外に「腐食からの保護」「汚染からの保護」「航空法上必要なマーキング」等の安全に係る重要な役割もあります。
ですから、何らかの色を塗る必要がある中で、塗料のコストが安い白を選択するというのは当たり前なのかもしれません。(ちなみにグレーは白より安い場合が多い)
第二に、重量増加を抑える目的もあります。
青や赤などの色を塗る場合、下地を白にする事が多くあります。
白がベースの塗装であることは、塗膜が二重になるエリアが少ない。塗装の重量を抑える事にも繋がります。
第三に、客室内の気温上昇を抑える目的です。
車でも白と黒の車を比べると、直射日光下での室内気温上昇に違いがあるそうです。
白は反射しますが、黒は熱を吸収してしまいます。
飛行中はエアコンが効いてますし、外気温も低いため影響は少ないですが、地上で整備を行っているときはエアコンが入っていない場合が多いです。夏の整備中の客室内は猛烈な気温になるんです・・・
最後に、白は安心感や清潔感を与える色でもあるそうです。
そう言われると確かにそうかもしれません。
今回は4つご紹介しましたが、他にも白を多く使う理由はあるかもしれません。
普段、見慣れている飛行機も視点を変えると面白いですね。