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台風避難

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台風避難

みなさま、こんにちは。このブログを書いているのは8月5日(土)です。台風5号が九州は鹿児島に非常に遅い速度で接近中です。

ブログが掲載される予定の7日には、現時点での予報では四国地方へ向けて進んでいるのでしょうか?被害が無いことを祈るばかりです。

現在、弊社鹿児島の格納庫では台風の接近に向けて色々準備が行われています。

空港でも、作業用ステップ等を固縛するなどの作業が行われていることでしょう。

台風から避難する飛行機

弊社ではどんな準備が行われているか!?というと・・・飛行機達を「詰めて」大きなスペースを空けています。

そう。このスペースに「台風避難」する飛行機を格納するのです。

今回の台風、最大瞬間風速が50m/sとニュースで言っています。50m/sというと、約100ノット。小型機であれば十分離陸出来る風速です。

要は、危険ということです。

台風から避難するサーブ340型機

今回は空けたスペースに鹿児島空港を拠点としている日本エアコミューター様のサーブ340型機を格納です。

困ったときは、お互い様。今回も一生懸命スペースを作りました。

旅客機の世界では小型と言われるサーブ340もJGAS格納庫では大型機です。


さて、今回は飛行機の台風への対処について軽くお話しようと思います。

台風が接近すると、飛行機が取る方法は大きく3つあります。

1. 格納庫の中へ避難する
2. 台風の影響の無い空港へ飛んで行き避難する
3. 台風を受けて立つ

1と2は、想像できるかと思いますが、3の台風を受けて立つにはどうすれば良いのでしょうか?

大型旅客機を例に取って、説明してみたいと思います。

台風が接近するに当たって空港で台風を受けて立つ飛行機が決まると・・・

まずやることは、燃料を一定以上まで積載します。

飛行機は空を飛ぶために軽く作られています。ヒラヒラと?飛んで行かないように燃料タンクに燃料をたくさん積み込んで、少しでも重量を重くするのです。

そして、風向きを見て機首の方向を変えます。

横風を受けると煽られてしまいますから、本来飛行機が受けるべき風の方向に機首を向けるのです。飛行機は普段は空気の中を全速力で飛んでいます。正面からの風には強いのです。横や後ろからの風には少し弱いです。

また、チョークを鉄製の頑丈な?ものに交換していく作業もあったりします。

ある程度の強さの台風になってくると、台風通過中に整備士が操縦席に乗り込み、飛行機の油圧ポンプ(ハイドロ)を動かして、エルロン・エレベーターといった動翼のアクチュエーターに圧力をかけて、風で動翼がバタバタしないようにします。

私もこの仕事をやった事が何度もありますが、酔います。大型の飛行機は強い風の中ではユサユサ揺れるのです。垂直尾翼も大きいですから、縦に横にと揺れます。これがまた心地悪い。

15分くらいで台風が抜ければ良いですが、そんな素早い台風はいません。最低でも2~3時間ほどは揺れと戦うことになります。

台風が過ぎていくと、機体が損傷を受けていないか詳細に点検し、次の便で使用する燃料量が少ない時は重量増加のために積載した燃料を抜く作業も発生します。

一般家庭でも雨戸を閉めたり、ガラスに飛散防止のガムテープ貼ったりと対策をされると思いますが、飛行機も万全の対策で台風にのぞむのです。

今回は飛行機の台風対策の紹介でした。

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