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フライトと情報共有

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フライトと情報共有

こんにちは。運航本部長の山口です。いつも当ブログをお読み下さり、ありがとうございます。今日は運航の安全を支える情報共有についてお話ししましょう。

ご存じのとおり民間航空操縦士訓練学校は鹿児島空港に隣接しています。鹿児島空港では、現在、航空機の着陸を補助する計器着陸装置(ILS:Instrument Landing System)の更新工事中で、下記のとおり、着陸誘導を行う電波を出すアンテナが2本立っています。

鹿児島空港のILS
計器着陸装置(ILS)を構成するグライドスロープ(GS)アンテナ。通常は1本だけだが、仮設のGSアンテナが併設されていることが解る。

空港の施設も老朽化すれば更新しなければなりません。このため、定期的な施設更新工事が必要です。しかし、工事の期間中、航空機の運航に大切な施設が使えないのでは、運航に支障が生じます。これを避けるため「仮設の施設」を併設して、工事期間中は仮設を用いて運航を支え、本施設の更新後は、再度、本施設を運用するといった対策が取られます。

仮設の施設は、本施設とは設置場所が微妙に異なることから、航空機の運航にも微妙な影響を与えます。その違いを示した図が下記2枚のアプローチ・チャート(進入図)。

鹿児島空港のアプローチ・チャート(進入図)

※滑走路34に計器着陸する際に用いる進入図。昨日までは、このチャートを用いて着陸していた。上部矢印の先にはMM(Middle Marker:ミドルマーカー)が在ることが解る。

このチャートは計器進入方式により着陸する航空機が使用するものですが、上図が11月11日(昨日)まで使用できた本施設による進入図、下図が11月12日(本日)から使用できる仮設による進入図です。違いが解りますか(赤矢印の先をよく見て下さい)。

鹿児島空港のアプローチ・チャート(進入図)

※上図と同様の進入図。本日からは、このチャートを用いなければならない。上部矢印の先からMMが消えている(今日からMMは使えない)。下部矢印の有効期限にも注意。

上記進入図は例ではなく、航空局が提供している本物のアプローチ・チャートです。まさに今日から新しいチャートを使わなければなりません。もし、このような変更に気付かずに古いチャートを使っていたら…

鹿児島空港では2枚の進入図を比べても解る通り、運航の安全に影響を及ぼすほど大きな変更はありませんが、変更の度合いによっては「知らなかった」では済まされない重大な影響を及ぼす場合もあるのです。いくらパイロット個人が気を付けていても、抜けがないとは限りません。おっと忘れた… で事故に繋がる可能性だってあるのです。

このため民間航空操縦士訓練学校では充実した運航管理体制を構築しています。もちろん、運航管理を裏から支える運航技術支援室も強力です。航空局から発せられる各種の情報を的確にパイロットに伝えること… つまり情報共有は運航の安全の第一歩。

パイロットだけでなく、スタッフ全員が高い意識を持ちながら情報の共有に努めること - 皆で注意し合い、誰もがやりかねない「おっと忘れた」を排除することが何よりも大切なのです。

民間航空操縦士訓練学校は、これからも現状に満足することなく、より安全な運航を目指して多くの施策を実施して参ります。

民間航空操縦士訓練学校

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