
いつも当ブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます。運航本部長の山口です。
去る11月20日(金曜日)、民間航空操縦士訓練学校の実機訓練が始まりました。今まで座学ばかりでうずうずしていたハズの訓練生が、大空へと飛び立ったのです。訓練生にとってはこれからが本番。座学で知識を身に着けるだけではなく、同時に腕も磨かねばなりません。訓練の厳しさ、大変さを、身をもって知ることになるでしょう。
でも、それはプロ・パイロットとして航空界に羽ばたくには避けて通ることのできない道です。多くの先輩たちが、幾多の困難を乗り越えプロ・パイロットとして航空機を運航しています。決して諦めず、一歩々々、地道に前に進んでいけば、いつかこの困難な時期も笑い話になるに違いありません。そうなることを私自身が知っています。
![]() |
チェックリストを使ってコックピット内の確認 |
航空機の操縦自体は、皆さんが考えるほど難しいことではありません。自家用操縦士のライセンスなら、多くの方が取得できるでしょう(もちろん一定の努力は必要です)。でも、プロ・パイロットになることと単にライセンスを取得することとの間には、大きな違いがあります。
![]() |
命を守る最後の手段。CAPSハンドルの説明を受ける訓練生 |
その違いの最たるものが、訓練に対する姿勢でしょう。プロ・パイロットになるための訓練は、単にライセンスを取得するための訓練とは一線を画します。自家用操縦士課程では、その違いは顕著には現れませんが、上級課程に進むに従い、プロを意識した訓練と、そうでない訓練とでは「要求されるレベル」が大きく異なってくるのです。また、安全に飛行することは当然として、効率良く、できるだけ短い訓練時間で、要求されるレベルに達することも求められます
![]() |
外部点検の様子。丁寧に見て回ります |
必然的に、実機訓練の前には、十分な準備が必要になります。操縦の前提となる諸元(いろいろな数値)や操作手順などを頭に叩き込むことはもちろん、その手順を実機で、しかも上空で再現できるよう、事前のイメージフライト(イメージトレーニング)を繰り返しやっておかねばなりません。
寝ても醒めても、食事をしているときも、お風呂に入っているときも、トイレの中でさえ、念仏のように操作手順を口ずさみ、手や足を動かしたものでした。
![]() |
初フライトを終えて記念撮影 |
辛いとき、苦しいときに助け合えるのが仲間です。仲間はライバルではない。共に困難に立ち向かうチームメイト。戦う相手は… そう、自分自身
一切の甘えを捨て、今を乗り越えなければ先はないと覚悟して、そうして努力してこそ、プロ・パイロットへの道は開けるのです。訓練生のみなさん、頑張って下さいね。