
みなさんこんにちは。操縦教官の中村です。
今回は、鹿児島空港の周辺にある桜島について少しお話ししたいと思います。
最近静かにしていた桜島。2月5日に久しぶりに噴火があったそうです。
昭和火口より1300から1800mまで噴煙が達したそうです。
去年の8月から今年1月まで一度も噴火活動をしていなかったそうですが半年ぶりですかね?
さて、桜島で噴火があった際に航空機の到着Route(主にIFR)が大幅に変わるのをご存知でしょうか?
その前に・・・火山灰(噴火)の影響で航空機事故がおきています。
ブリティッシュ・エアウェイズ9便で調べてみてください。航空機に対してどれだけ火山灰が危険なのかがわかります。
話を戻します。
通常の到着Routeは、東京・大阪・中部便は宮崎方面から国分VOR/DME経由で、香港・台北便は薩摩半島方面から桜島の東側を経由で、那覇・離島便は大隅半島から桜島の東側を経由して、福岡・上海・仁川便は熊本天草方面から、鹿児島空港に進入するRouteが一般的です。(R/W34の場合)
今の季節は、上空の風が北西から吹いており鹿児島空港とは逆(志布志方面)に火山灰が移動します。
その場合に一番影響がある到着便は、沖縄・離島便と香港・台北便です。上記でも記載しましたが、通常桜島の東側から鹿児島空港に進入しますが、(管制官の指示を受けて)火山灰を避けて進入する場合は、鹿児島VORTACから鹿児島空港に着陸します。その場合は、管制官も大忙しだそうです(いつも忙しい空港なのにもっとですかね??)
また、火山灰が西に流れている場合はどうでしょう?桜島から国分VOR/DME方面に火山灰が流れている場合です。
東京・大阪・中部便に影響があり火山灰をよけ管制官の指示に従い、鹿児島空港に進入をします。
いずれの場合も、管制官は火山灰の状況をすべて把握しているわけではありません(レーダー室で桜島の映像は見えていますが・・・)。管制塔にいる管制官の情報とパイロットとの情報で火山灰を回避しています。すべての方々の力で安全飛行が保たれています。
もし噴火があった場合、鹿児島空港のATIS:127.05Mhz(Automatic Terminal Information Service、飛行場情報放送業務)で桜島の上空の風や火山灰の情報も流れています。
航空機のパイロットは飛行場進入前に情報を入手してよく考え飛行しています。
少し長くなりましたが、飛行機に乗られて鹿児島空港周辺を飛行する際は、桜島の事をよく理解して風向き等を考えて安全に飛行してください。
それでは今回はこの辺で・・・
操縦教官 中村