
ある日の北海道の空港へアプローチする飛行機の航跡を追ってみました。
明け方からの降雪で視程、ランウェイ・コンディションがマージナルな状況が続いていました。
東京方面からの飛行機は、NAVER(*1)で一旦HOLDING PATERNに入ってから、MUKAWA(*2)へ回され、その後RJCC RWY 01R(*3)へRadar Vectorされています。
*1:Waypoint(画像の◇印)
*2:VOR/DME(○印)
*3:新千歳空港の滑走路01R(矢印)
除雪などが長引くと渋滞がさらにひどくなり、写真のもう少し下当たり、航空路上TOHOKU(VOR/DME ※2016年に廃止)での高高度Holdingが指示されることもありました。
この日の飛行場の到着スケジュールをみてみると、どの飛行機もスケジュールの到着予定時間から1時間ほど遅れています。
降雪があると滑走路上の Breaking Actionの低下や積雪などで除雪作業が始まり、このようなHoldingがよく発生します。
悪条件が予想されている場合はあらかじめその分だけ燃料を余計に積んで来るので良いのですが、突発的な天候急変だとDivert(目的地外の空港への着陸)が必要になります。この日も2機ほどHolding途中でDivertして行きました。
このようなHoldingは、お客さんで乗っている時に遭遇する機会はほとんど無いでしょうが、プロのパイロットで仕事をしている場合はかなりの頻度で遭遇します。
定期航空会社で飛んでいた時は、厳しい条件下で目的地に到着して、お客さまが飛行機を降りていかれる時、ごく当然といった後ろ姿でボーディングブリッジを歩いて行かれるのを見て、汗ばんだ背中の心地悪さを感じつつも定期便の使命は安全に目的地に到着することが当たり前なのだと強く感じていました。
ここ鹿児島のJGASでの教育訓練は、こういった厳しい条件下での運航でも安全に確実に飛ぶことが出来るパイロットを育てることです。
年が明けてからこちらでは東京よりも寒い天候が続いていますが、安全確実に飛行を完遂出来るパイロットをめざして、訓練生は熱く訓練フライトに励んでいます。