みなさんこんにちは。JGAS操縦教官の中村です。
暖かくなってきましたがまだ夜は肌寒いですね。風邪などひかれていないでしょうか?
さて、去年10月のことですが、シーラス社の認定教官になるためにアメリカのミネソタ州ダルースにありますシーラス本社に行ってきました。今回はその時の訓練内容について簡単にお話したいと思います。
8年前ぶりのアメリカでのフライトで少し緊張しました。
シーラス社は、シーラス機を使用する各国にCSIP(Cirrus Standardized Instructor Pilot)という認定教官を置いています。
これは、世界中のどこでも、シーラス本社の訓練センターと同じ訓練を提供するための制度です。シーラス社が自ら開発した訓練を標準化することで、シーラス機の安全性がより高まるのです。
CSIPになるには、必ずシーラス本社の訓練センターを訪れ、今回ご紹介するような訓練コースを修了しなければなりません。
また、CSIPの訓練を受ける条件は、以下の通りです。
・操縦教育を行う国籍の教官のライセンスを持っていること
・総飛行時間が500時間以上であること
・操縦教育時間250時間以上であること
つまり、本国で一定の経験を積んだ教官でなければ、訓練を受けられないんですね。
JGAS鹿児島フライトトレーニングセンターでは、CSIPの教官がシーラス機を使用して、シーラス本社と同じように、質の高い訓練を提供します。また今年の10月をめどにシーラス社認定のトレーニングセンター"CTC"(Cirrus Training Center)になることを目指しています。
CISPの訓練内容についての本題に入りますと・・・
まずアメリカに行く前にWEBサイトで、シーラス機の概要や訓練手順、航空機のシステム、シーラス社が定めたシラバスの仕組みについて、セルフスタディーで勉強します。
WEB上で勉強した内容は一括管理され、各章の最後にテストがあります。スコアーが70%以上ないと、再度その章をやり直ししなければなりません。全20章ほどあり結構ハードでした(泣)
渡米後、シーラス本社での訓練では、4日間朝からみっちりと座学・フライトを行います。
訓練内容
1日目 終日座学(できればフライト)
2日目 AM:座学 PM:フライト
3日目 AM:座学&フライト PM:フライト
4日目 AM:座学の最終試験 PM:フライト
訓練の中での1日を紹介します。
まずは日本で勉強した手順等をもう一度詳しく説明されました。当然のことながらすべて英語でしたが、教官はゆっくりとわかりやすく説明してくれて一安心でした。
3時間くらいしたら、教官が「よし!!フライトに行くか」と・・・
「ランチは?」と聞くと、「訓練で行った先の空港でランチにしよう」と・・・
ひとまずランチはお預けにして、フライト前のブリーフィングを行い、訓練機へ。弊社が購入した機体と初対面です。フライトスクールではこの機体が使用されることになります。
(日本での機番はJA01TCです)
外部点検を済ませTake Off!! 上昇率が良くすごく安定しています。
巡航に移り、速度は130KT(同規模の小型機の中では早いほうです)。途中スローフライト、急旋回、失速の科目を行いました。気流が安定していたのか?僕の腕が良いのか!?科目もやりやすく感じました。
目的地の空港で、タッチ・アンド・ゴー(離着陸訓練)を数回行ったあと、ランディング。離着陸も機体ががっしりしているせいか安定して行うことができました。
着陸後、機体をスポットに入れて、飛行場を管理する会社から車を借りてランチへ。アメリカでは飛行場を管理する会社が無償で車を貸してくれるサービスがあるのです。やはり自由の国アメリカですね!
ランチをしながら簡単にブリーフィングを受け、飛行場に戻り、シーラス社があるダルース国際空港へ出発。帰りのフライトも行きと同じ科目を行いました。
ランチの際に指摘を受けたことを修正しながらフライトを行い、教官から「Excellent!!」の連発です。(やっぱり僕がうまいのかな!?)
(シーラス本社にて教官と)
少しハードスケジュールでしたが、無事に訓練を終える事ができました。
まもなくJGASが導入したSR20が日本に到着します。
これから訓練を希望されている皆さんや自家用操縦士以上の免許をお持ちの方は、私がCSIPとして訓練を提供して参りたいと思います。宜しくお願いいたします!
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*訓練のご提供は、「航空機使用事業」の事業許可取得後の対応となります。ご了承ください。
JGAS操縦教官 中村