弊社が日本総代理店を務めるイタリアの航空機メーカー・テクナム社は、P2012”トラベラー”という双発機の開発を進めています。
前回のブログでは、先日発表されたばかりの機体性能などの最新情報をご紹介しました。
P2012”トラベラー”は、最大11席の小型飛行機です。テクナム社の飛行機は、様々な用途に合わせて改造できることに定評がありますので、旅客輸送以外にも様々な形態での活躍が期待されています。
例えば、間もなく日本の型式証明を取得する4人乗りの双発機「P2006T」は、そのままの形態で自家用機や訓練機として使用されるだけでなく、カメラホールを開けて航空測量機として使用されたり、センサーを取り付けてパトロール機としても使用されています。
そこで今回のブログでは、現在計画されているP2012のバリエーションをご紹介します。機体性能に関しては、前回のブログをご参照ください。
テクナム社はP2012の形態について、いくつかのイメージを作成しています。
まず標準仕様の場合、機体内部は下図のようになります。コックピットの2席を含め、最大11席を設置できます。
先日ドイツで行われたトレードショーで、実際に機内に入ってみました。
乗り降りするときには天井が低く感じますが、座席に腰掛けた状態だと圧迫感はありません。
通路を挟んで一列ずつシートが設置されており、隣の乗客との距離が離れているため、個人のスペースにはだいぶゆとりがあるように感じました。
標準仕様では、機首と機体後部に貨物を搭載できます。スーツケース1個ずつ程度なら、乗客9人分の荷物は余裕を持って収容できそうです。
貨物輸送に特化することもできます。
VIP輸送の仕様は以下のようなイメージです。
救急搬送に使用されることも想定しています。
スカイダイビングにも最適です。
機体の改造については、4人乗りの双発機P2006Tで豊富な実績があるため、このほかにも顧客の要望に応じて様々な改造を加えることが可能になると期待できます。
旅客を輸送するスタンダードモデルに関しては、アメリカ東海岸のリージョナル路線や、グアム・カリブ海などの島間路線を運航するケープエアーが開発協力をしています。多数の小型機を運航する同社が協力することにより、運航者のニーズに合った旅客輸送機の開発が期待されます。
現在、テクナム社は、P2012の導入を検討している事業者・自治体からの要望についても、ヒアリングを進めています。ご関心のある事業者様はぜひ弊社までお問い合わせください。
P2012の開発計画は、2018年末にEASA(欧州航空安全機関)の型式証明を取得する計画が順調に進んでいます。
今後も様々な情報をお伝えして参りますので、ご期待ください!