
今日は、前回に引き続き「シーラス特集」ということで、シーラス社が誇る大ヒット小型飛行機「SRシリーズ」についてご紹介したいと思います。
SRシリーズの機体はいずれもエンジンが1つだけの単発プロペラ機です。その性能と安全性が高く評価され、趣味で操縦を楽しむオーナー機としてだけでなく、プロのパイロットを養成する訓練機としても世界中で好調なセールスを記録しています。
SRシリーズには「SR20」「SR22」「SR22T」の3機種のラインナップがあります。
下の表をご覧いただいてわかるように、3機種とも同じ形をしています。機体の大きさもまったく同じです。では、一体何が違うのかというと、搭載しているエンジンが違うんです。
「SR20」は200馬力、「SR22」は310馬力、ハイエンドモデルの「SR22T」はターボチャージャー付き315馬力のエンジンを搭載しています。それに伴って、最大巡航速度などの性能も変わります。
SR20 | |
全幅:11.67 m | ![]() |
全長:7.92 m | |
全高:2.71 m | |
最大巡航速度:155 kt | |
実用上昇限度:17,500 ft | |
航続距離:627 nm (75% Power at 8,000ft) | |
エンジン:コンチネンタル IO-360-ES 200HP | |
使用可能な燃料の量:56 gal | |
有効最大搭載量:1,000 lb (454 kg) | |
乗員:2+3 名 |
※2017年モデル以降は「ライカミング IO-390-C3B6 215HP」を搭載 | |
SR22 | |
全幅:11.67 m | ![]() |
全長:7.92 m | |
全高:2.71 m | |
最大巡航速度:183 kt | |
実用上昇限度:17,500 ft | |
航続距離:804 nm (75% Power at 8,000ft) | |
エンジン:コンチネンタル IO-550-N 310HP | |
使用可能な燃料の量:92 gal | |
有効最大搭載量:1,340 lb (607 kg) | |
乗員:2+3 名 |
SR22T | |
全幅:11.67 m | ![]() |
全長:7.92 m | |
全高:2.71 m | |
最大巡航速度:213 kt | |
実用上昇限度:25,000 ft | |
航続距離:895 nm (75% Power at 18,000ft) | |
エンジン:コンチネンタル TSIO-550-K | |
Turbocharged 315HP | |
使用可能な燃料の量:92 gal | |
有効最大搭載量:1,258 lb (570 kg) | |
乗員:2+3 名 |
SRシリーズの機体には、これまでの小型機にはなかった、ユニークで革新的な機能が多数搭載されています。この場だけでその魅力のすべてを語り尽くすことはできないので、シーラス機の象徴とも言えるもっとも革新的な機能をひとつご紹介。
緊急用パラシュートシステムです!
飛行機からパラシュートが出るんです!
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緊急用パラシュート(CAPS) |
SRシリーズの機体には、CAPS(Cirrus Airframe Parachute System)と呼ばれる緊急用のパラシュートが標準装備されています。
機体のコントロールが不能になったり、エンジンが故障して不時着場所がない場合、コクピット上部にあるレバーを引きます。すると、機体の背中のほうから大きなパラシュートが飛び出し、機体をゆっくりと降下させます。
さらにSRシリーズの機体は、ボディに強化フレームを採用していたり、垂直方向の衝撃に耐えるためアルミハニカムコアを組み込んだシートを搭載しているなど、搭乗者を徹底して守る安全設計になっています。
飛行機の墜落事故というと、生存が絶望的というイメージがあるかもしれません。ですが、シーラスのSRシリーズの場合、適切にCAPSを作動させれば、事故からほとんど無傷の状態で生還できる可能性が高いのです。
SRシリーズには、ほかにもユニークで革新的な機能が多数搭載されています。今後もこのブログで様々な機能をご紹介していきますので、ご期待ください!
次回、シーラス特集3回目は、現在開発の最終段階に入っている小型単発ジェット機「Vision SF50」についてご紹介します。